-へんなポップス。リードギタリストが作曲をしているためかギターが奔放で、ドラムスからはハードコア要素も感じる。でもJ-POPの文脈に留まる。
perfect young lady『PYL 3rd SEASON…』(2023)
-Vaporwave以後の歌謡曲集だと思っている。軽快なポップスながら、一抹の謎を残す。
Ovlov『Am』(2013)
-夏はこれで乗り切った。いきすぎたギターノイズが体じゅうの痒いところを雑に掻きむしる。アートワークも良い。
井出ちよの『わたしの高校生活』(2020)
-井出ちよの&石田彰プロデューサーが3776で見せる高度なコンセプトポップスからコンセプト性を取り除いてみたら、珠玉のJ-POP作品ができた、という感じ。
Starflyer 59『Starflyer 59』(1994)
-全てを覆うようなギターノイズとブルージーな渋さが効く。
ピチカート・ファイヴ『カップルズ』(1987)
-もやに包まれているようなアルバム。演奏は豊かでキャッチーだが、ライブラリー・ミュージックのようなニュートラルな魅力も存在している。
Loves Ugly Children『Cold Water Surf』(1994)
-疾走するギターノイズが先導、そして展開していく。ポストハードコア好きとシューゲイザー好き双方のフラストレーションを解消。
2023年に聴いた中で特に良いと感じた音楽作品を、思いつくままに並べてみました。気がついたら、エッジの効いた異質なポップス(赤い公園/perfect young lady/井出ちよの/ピチカート・ファイヴ)とノイジーなロック(Ovlov/Starflyer 59/Loves Ugly Children)に二分できるようなリストになっていました。その上、前者グループは日本国内、後者グループは国外のアーティスト、という明瞭な(そしてまったく意図していない)傾向も見えてきたため、来年はへんなポップスを作る海外の作家とけたたましい日本の音楽を探したいと思います。