信念の先にあるもの

きのうの昼に食べたラーメンがまだ残っている感じがある。質量とエネルギーが大きいぶん、どうしても印象が強い。駅でアンビエントを聴いていたら、駆け込み乗車をする乗客に腹を立てているような声色でアナウンスをする駅員の声と混ざり合って、音楽の新たな可能性だった。きょう乗った電車はヤニのにおいがした。「たばこ」ではなく「ヤニ」と形容したくなる、使い古された吸殻みたいな、ちょっと燻ったにおい。トレジャーファクトリーに行こうとして、荷物が重いから、やめた。冷凍炒飯を冷凍庫から出して口を止める輪ゴムを外したら、うねうねと動き出した。熱を急激に受けてうねうねしたのだろうが、その数秒間、輪ゴムがあまりにも生命で、驚いた。ちょうど聴きたい音楽がなくて、相対性理論をかけてみたらちょうど良かった。アンビエントはポップスなどとは違いメロディや歌詞などでリスナーを引っ張っていくことはせず、いわゆる「家具の音楽」であるためか、カバージャケットによる先入観が特に強い音楽ジャンルなのではないかと思う。白いジャケットのアンビエントだと北極の澄んだ感じを期待するし、反対に暗いジャケットだと少しインダストリアルっぽさもあるのかな、みたいな、そういうことが起こりえる。修学旅行やバスツアーなどの、行き先やタイムスケジュールが固定された旅が、じぶんで自由にやる旅よりも好きな人は、一定数いる。