無かった話

母親の悪夢の内容を聞いたことがある。正確には、聞かされたことがある。「きょう悪夢見てさ」と切り出したわりには、線路を渡るのが怖かった、みたいな薄い内容の夢について告げてきた。でかいペットボトルに入った液体をコップに注ぐとき、一回でコップ1杯が満ちるくらいまで注いだほうが絶対に効率がいいのに、ひと飲みするごとにひと飲みぶんずつ汲んでしまう。救心のCMやサザエさんのOP/EDに使われている音楽は、ここまできて変わっていないので、もう二度と変わらない気がする。かかとまでホールドするような足に密着するタイプのスリッパは、脱ぐのが面倒くさいが、履いたままトイレに入るほうがよっぽど嫌な感じがする。アイドルには、アイドルをやり始めてから数ヶ月で辞めてしまうような人と、10年以上活動を続けるような強い人がいる。前者の存在からは「(美醜問わず)アイドルという職業に求められるものを満たす」ということの難しさ、またはそのような能力のピーキーさを感じさせられるし、後者の存在からは率直に元気を貰える。Spotify上で、神聖かまってちゃんを全曲シャッフルして聴いていた。音が好きでよく聴くようになったバンドだが、こう満遍なく聴いていると、メロディもコンスタントに良いということに気づく。アーティストごとに「全曲集」プレイリストを作ってそれをシャッフルするような聴き方って、偏見なく聴けるのがよい。このアルバムはカバージャケットが微妙だから収録曲も微妙な感じがする、というようなバイアスが作用しない。「このアルバムはカバージャケットが微妙だから聴く気が起きない」とかも通用しない。