分からな☆

デヴィッド・ボウイの死は、家族でドライブをしてワンダーレックスで中古レコードを買ったりした日に、家に帰ってきてすぐに知った。「(a+b)³=a³+3a²b+3ab²+b³」「(a+b)³=a³−3a²b+3ab²−b³」みたいな、三乗が絡むタイプの数学の公式はいまいち信頼していなかった感じがある。覚える覚えないの話ではなく、寄っかかれない。この手の公式の知識が求められるタイプの問題が来たら、逐一、展開して分配して、という計算をしていた。もっと複雑で難しい公式に体重を預けている人はもっとすごい。それは、左項と右項が頭の中で地続きで接地している、ということだと思うから。「分かる」は「分かるが分かる」と「分からないが分かる」を含んでいて、すごい。いっかい分かると、その時点での「分からない」を究めるという方針が立てられるようになるが、分からないと一寸先は闇で、分からない事柄はノータッチ、分かる事柄はどんどん分かるようになる。ますます分断が進む。

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おもしろネーミングパンを買った。味はもっとも、その見た目から十分に想像できるようなものだったが、この名前に料金を支払ったみたいなものなので不満はない。山のような三角形をしたパンに「もっち歩き」とネーミングする。「登山」「トレッキング」がおそらくミッシングリンクになるのだが、その、「AからはBが連想されBからはCが連想される」という状況からBを抜き去ってAとCを繋げる、という手法はさながら良質な俳句のようだ。小西康陽にもっとアイドルソングに携わってほしい、と思ってネットを見ていた。

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10番目でオチをつけたので誰かが面白がって拡散しないだろうか、という作者の魂胆に乗せられているような感じもするが、にしても「〜マヨ♫」は大層なオチの付け方だ。