管理サバイバル

日本には、隣町のスーパーに行ってまで食費を節約する主婦を見せ物にするニュース番組がある。夜間の食欲は、何でもいいから何かを食べたい、という無節操な欲というよりかは、温かいものがただ食べたい、という「ぬくもりの欲」なんだと思っている。いま、東京アラートの話をしてみたい。父親の車でローリン・ヒルを聴きながらブックオフハードオフを巡ったあの日が私の人生のピークだったかもしれない。「ままみ」という名前の人、いるよなあ。全部ま行だからすごい。ラーメン屋の出すラーメンがとても食べたいときには、麺ばかり食べすぎてもやしとねぎばかりが最後に残る感覚すら恋しくなる。2024年2月号の分の雑誌が2023年の12月末くらいに発売される、みたいな、そういう歪みが雑誌業界にはあり、もはや慣例のようになっているため、業界人は誰ひとりとしてそれを指摘しないことになっている。人間の業を感じる怖い顔文字セレクション:😂🤣🙃🫠🥱。「🙃🔥」というコンビネーションが使用された文章を見たことがあり、それは相当に怖かった。音楽を聴くことを好んでいると音楽を聴いている間のちょうど良い作業としてくだらないことを選択してしまい、それに没入するという無の時間が生まれる。「ひと聞き惚れ」みたいな、既にある言葉を少し変形することでしか表現しづらい概念ってあって、そういった造語を会話で使用しなければならない局面のたびに「ひと目惚れならぬ『ひと聞き惚れ』しちゃいましてねー」というふうに講釈を垂れるのは面倒くさい。中でも、例に挙げた「ひと聞き惚れ」のようにやけに汎用性が高い、でも正式な言葉ではない造語というのだと、その言葉を使うための前振りの時間がより気恥ずかしく無駄に感じられる。「ひと目惚れならぬ…」の時点で、だいたいの人は「『ひと○○惚れ』くるぞ…」と、きっと分かっている。コミュニケーションのデブリだ。みんなはブルベ冬みたいなやつで苦しまないでね、と思っている。