笑顔の鳥

心霊現象は一般的に怖いものという認識があると思うが、「お盆の期間に親戚で集まって仏壇の前で写真を撮ったらオーブが映り込んでいた」「お盆のお供え物の準備をしていたら誰もいないはずの和室のドアが動く音がした」等の、血縁関係にあった故人がこの世に帰ってきちゃった系のエピソードは忌避されるどころか、むしろハートウォーミングな出来事として語られることすらあって不思議だ。アイドルの番組にそのアイドルからみて異性の催眠術師が出演しているとき、なんか嫌よな。富士山の近くの旅館に泊まっていたら火事が起きただとか、そういう変な夢をみて昼寝から目を覚ましたら、わたしのスマートフォンの画面になぜか飼っているペットの排泄物らしきものが付着していて目が冴えた。「未亡人」という概念の発想はかなり奇抜なものだと思う。男に先立たれた女にしか適用されない。逆はない。「男やもめ」「やもお」が使用されている場面を見たことがない。英語でも"widow"という単語は「未亡人」の意味になり、「遺族」という、より包括的な概念は指さないらしい。「交通誘導」という文言とともにかけられる求人と、「交通整理」という文言とともにかけられる求人の仕事内容は異なるのか。トップバリュ「炭酸水 ソーダ風味」やばすぎる。口に迎え入れるまでは三ツ矢サイダーのそれに近い高揚感があるが、口に入った途端に無骨な炭酸水に為り変わる。三羽の鳥が逆三角形の頂点にそれぞれ位置したような状態で飛んでいて、それが人間の笑顔に見えるという画像。さいきんは家にいる時間が長く、音楽をほとんどCDやレコードで聴いていたが、きょう久々にSpotifyで音楽をかけてみたらあまりにも淡白な感じがしてびっくりした。思い込みなのかもしれないが、なんだか音圧にパンチが足りない。

 

【本日の1枚】Cherubs『Heroin Man』(1994)

ジャケットが怖くてしっかりと聴いていなかった。本物の死の画像でなければ良いが。期待の何倍も良かった。ポスト・ハードコアの技巧性みたいなものではなく、より純粋なノイズロックがルーツにある作品に思える。