竹村延和『Scope』(1999)

日本人のアンビエント作品。日本の電子音楽は知らないものが大半だが、この作品には驚いた。アンビエント的、基本的に展開のない気持ちよさと、グリッチ的、そこに配置された異音のバランスが絶妙で、私のかゆいところに手が届く音。アンビエントと言ってもズーンと落ちる感じはあまりなく、静謐な印象が保たれている。Four Tetと並べて聴くと個人的にはしっくり来る。私はFour Tetのオーガニックでパキッとした音像がかなり好きで、それに近いものを追い求めてフォークトロニカ周辺などを聴いたり聴かなかったりしているが、この作品は今のところ一番フィーリングが近い。音は似ていないけど、音の処理感は両者とも私の理想に近い。