観光日

あらゆる「演者」は、そのために舞台上の設営をしてくれる人などがいるにも関わらず、ステージに出ることでお金を稼ぐのですごい。ショーのために雇われた全ての人の賃金すらカバーするパフォーマンスを、求められている。きのう¥100で買ったKitchens of Distinction『Death of Cool』のCDの裏面が案の定キズだらけだったのだが、サブスクにはあるし、この作品を再聴する機会を¥100で買ったと思うことにした。アイドル事務所って、その所属アイドルのブログやSNSの様子をひとめ見たら、だいたい"正しい"か"正しくない"かがわかる。「このコンテンツはもっといろんな人が知るべき🥺」みたいなファンがたくさんいるファンダムに、今すぐ駆けつけたい。海外の出身と見える人と駅の改札の前で一瞬まごついたのだが、そこでわたしが先に改札を通ってしまうとその人の中での日本人全体のイメージが悪化すると考えたため、譲った。べつにそういう、イメージ改善事業のためだけにその行動をとった訳ではないが。他人がいる公共の場だと、スクリーンショットができない。「スクリーンショットをするために押さなければいけないボタン」の存在は今やほとんどの人の間で共通認識化していて、していなかったとしてもスマートフォンの側面のボタンを二つ同時に押すという大仰な行為は何かしらの特別な操作を意味すると大体の人は認識するはずなので、気恥ずかしい。「大仰」って「おおぎょう」と読むのか。いまこの文章を打っていて知った。「たいぎょ」だと思っていた。自宅の前にパチンコ関連の郵便物が落ちていて、心当たりが無かったのでよく見てみたら、隣家の人の苗字が書いてあった。Number Girl "BRUTAL NUMBER GIRL"の歌詞の一節に「一九九五年から 自力を信じてます」という箇所があるが、リリースのたった五年前の西暦をそのまま歌詞に盛り込むのはかなりリアルだと思う。2023年からみたら「2018年」を歌詞に取り込むことと一緒だ。Number Girlにはヒップホップを感じる瞬間がある。Death Gripsには「電子楽器の音圧がけたたましい時期」「ギターノイズがけたたましい時期」「最近のクラブミュージックに影響を受けている時期」がある。と思う。インターネット上の画像を個人的な目的のために保存することが無料なのは、すごい。鮮烈なネットニュースを貼り付ける。

 

【本日の1枚】Arab on Radar『Queen Hygiene II』(1997)

色々なサイトで、マスロックやらノイズロックやら、ポストハードコアやらと紹介されていたので聴いた。全くそんな感じがしなかった。十年遅れてきたポストパンクだと思う。上物のエレキギターがちゃらちゃらしている割に、骨太なベースラインがグネグネと唸るアンバランスさ。ボーカルもずっと人を食ったような歌い方をするのだが、異様に堂々としていておもしろいと思う。