the noise and the melodies - the pearl-compilation [1993]

90年代前半あたりのシューゲイザーについて熱心に調べていて知ったコンピ盤です。全体的に気の抜けたノイジーなインディロックで、ジャンルでいうとスラッカーロック/ドリームポップ/シューゲイザー周辺をさまよっている感じです。

だがこれがかなりくせ者で、当時のこのシーンのコンピの割にはUK勢のバンドが異様に避けられているような選曲。こういうインディペンデントな編集盤はもちろん音楽通が選曲しているはずなので、地域ごとのコミュニティやその内部の温度感、盛り上がり方(そして、もちろん音楽性)が似ているバンドの曲が集められていることが期待できます。要するに特定の音楽シーンの、当時の空気感を知り得るひとつのピースになってくる気がするのですよ。Diamond in the roughを見つけようって訳です。

 


…トラックリストを載せます。西洋のマイナーなバンドが日本語の文章で言及されているのをもっと見たいから。

1. Antiseptic Beauty - Freefall
2. The Tony Head Experience - Heavy Mother
3. Lorelei - Honeysuckle
4. Red Letter Day - Blues
5. Flowerpornoes - Honig
6. Usura - Please Eve With a Bite
7. Mosaic Eyes - Vicious Games
8. Ecstasy of St. Theresa - Square Wave (Blow Mix)
9. Die Regierung - Nathalie Sagt
10. Eva Luna - Glamourpuss
11. Acid House Kings - The Girl I Shall Never Forget
12. Adam Met Karl - Thus Waits This Fairy Tale
13. Die Sterne - Alles Oder Niemand (Take 1)
14. 18th Dye - Plumbing and Soon Forgetting
15. U Thant - Calon Newydd
16. Hip Young Things - Long Brown Eyes
17. Des Garcons Ordinaires - Galaxy
18. Lucievacarme - Echymose
19. Die Allwissende Billardkugel - Maine
20. Fflaps - Cilio

西洋のバンド、と書いたが、香港のバンドも含まれていて驚きます(Adam Met Karl)。Adam Met Karlは海外サイトでシューゲイズを調べているときに何回か出くわしたことがあってCDをウォッチリストに登録していたのですが、つい最近サブスクで聴けるようになったようです(サブスク上では「AMK」という名前になっています)。まだ聴きが足りませんが、1994年の『請讓我回家』を通して聴いた感じだとキャッチーでかわいらしい印象です。そこにノイズが急に来ます。

あとはEcstasy of Saint Theresaにも(もはや初期シューゲイザーのdigにおいてはマストになりかけているアーティストかもしれませんが)言及しておきたいです。1992年のフル・レングス『Susurrate』は一聴の価値あり。ここに載っている"Square Wave (Blow Mix)"は恐らくここでしか聴けないレアバージョン。

ほかにもドイツの18th Dye、フランスのLucievacarme等々は更なる深掘りが必要な感じがします。ここに載っているアーティストで何か新しく気づいたら追記する。

 

*この記事は本ブログを始める前にわたしが別のサイトで書いていた記事を移行したものです*