杜松

食事中にスッ転ぶ男の子

小学生のころ、「小学校の近くにいる正体不明の男」が実際にいた。何と呼ばれていたかは忘れたが、小学校の門から一番近い交差点のところにたまに居て、ほかの小学生と交流している様子もよく見かけた。わたしはそれに懐疑的だった。図体がでかくひょろっとしていた。プリッツとドーナツは喉に詰まらせながら食べるくらいがちょうど良い。いつでもいいからウェットティッシュを腕にこすり付けてみると、注射のことを思い出して緊張感が出る。中学三年生のころの社会科の教師は年配の男性といった感じだったのだが、その風貌に似つかわしくなく妙にフレキシブルな人物だったことを覚えている。その教師は、わたしが中学二年生だったころに「自転車のランプが切れている」という理由できつく注意してくれたし、なぜか全ての生徒を苗字+さん付けで呼んでいた。正気を保つというのも当たり前ではなくて、何かしらの過去の恐怖体験と現在の状況がリンクしたりしたら、公共の場で叫んだり、根拠のない思い込みのようなものを口走ったりすることは、人間、ある。精神が狂うわけではなく、むしろ周りの状況に狂わされている。きょうは川を見た。Look Blue Go Purpleの、Tiger Trapにスロウコアをやらせたみたいな曲が良かった。トゥイー・ポップの文脈ながら、サイケフォーク的なぐったりとした感じもある。駅を歩いていたら周りの人たちがみな早足で急いでいたため、わたしも何となく早足で歩いてみた。唇を潤すリップスティックとつぶグミを買うためにコンビニに行った。