ノリアキのポストはかなりチルだ。寝る前に、眩しく熱すぎる朝日が自分の顔に当たらないようにカーテンを閉め、唇には保湿のリップを塗った。このリップ、「
UVカット」などと書かれているが、意味が無いと思う。わたしの唇はついに冬の乾燥には耐えきれず、自分からみたときの右上のあたりが切れた。雨で濡れたサドルに座る羽目になったが、案外おしりが濡れなかった。やった方が良いことを、やりたくないながらいつの間にかやっていた。半袖シャツに七分丈のズボンの人が駅で降りたので、私はその人が立っていた場所に立った。街の人たちの服装を見ていると、人はわたしが思うよりも天気予報を見ていないのかもしれない、と思う。
Boards of Canadaの"Aquarius"を久々に聴いたら、最高のサイケミュージックだった。公衆トイレのハンドソープが不意にレモンのにおいをさせた。「勇み足」は「及び腰」の対義語と言えるのか。ゆっくりと、わたしの歩行を優先してくれた車のドライバーとも仲良く道を横断した。眠気がひどくて、妥協をした。左頬の下のあたりが、栄養不足と乾燥を伝えるように、
如実にかさかさとしていた。『Compilación I』という、ペルーのサイケ/
アンビエント系バンドが揃ったコンピレーションを聴いていた。Metrotone "Kiss Me Awake"はウォール・オブ・
サウンドの心地よい曲。この気候を固定して一年じゅう楽しみたい、と思える夕方だった。この自然なら愛せる。外出頻度が増える。街が美しく見える。高校三年生のときに日本史ではなく世界史を選択したクラスメイトたちは、全員が変で、全員が孤立していて心地が良かった。少し、立ち寄れるところにある花屋について調べた。